工場では多くの電気が必要となるため、どうしても電気代が高くなってしまいます。
毎月の電気代に頭を悩ませている企業や経営者の方も多いと思うのですが、どうすれば電気代を節約できるのでしょうか?
節約を始めるなら電気代の計算も大切ですので、その計算方法と、節約術の両方を見ていきます。
まずはどのくらい電力を使用しているのか把握をして、節約を心がけることで今よりも電気代を下げることが可能です。
工場の電気代の計算方法とは?
電気代の計算方法は工場でも一般家庭でも同じ計算式で成り立っています。
基本料金+従量料金(電力量単価±燃料費調整単価+再生可能エネルギー発電促進賦課金単価)×使用電力量(kWh)-割引額です。
複雑に思えるかもしれませんが、各項目の数字を調べて当てはめ、計算をしていけば電気代が算出できるのです。
工場の場合、基本料金は30分デマンド値という仕組みで決定されていて、たとえば契約電力が500kW未満の場合、当月を含めた過去1年間の中でもっとも大きかったデマンド値、つまり最大の需要電力量を契約電力として定めます。
1年でもっとも多く使った電力の量が基準となって基本料金が決められると考えれば良いでしょう。
契約電力が500kW以上の場合、電力会社と話し合いをして適切な契約電力を決定します。
こうして基本料金が決まったら、後は従量料金や使用電力量に合わせて最終的な電気代を算出します。
割引が適用される場合は、最後に割引額を引いて電気代が確定する仕組みです。
また、基本料金を決定する際には力率割引と呼ばれる仕組みがあり、力率85%を基準にして力率に応じて割引になったり、逆に割増になったりします。
効率よく電気を使うことでも電気代の節約が可能になります。
kwhは平均どのくらい?
次に工場の平均的なkWh、つまり使用電力量を見てみましょう。
工場の規模や、作業の内容、設置されている機器の数などによって使用電力量は大きく変わるため一概には言えませんが、平均を把握しておくと参考になります。
たとえば規模の小さな工場の場合、平均的な使用電力量は1ヶ月におよそ1,000kWh前後になることが多く、規模の大きな大工場だと、およそ1,000,000kWh前後になることが多いとされています。
このように工場の規模でも数字が大きく変わるため、工場の規模を踏まえたうえでkWhについて考えなければいけません。
中規模の工場ならおよそ100,000kWh前後とされているので、これらの数字を参考にして、自社の工場の使用電力量が平均より上なのか、下なのかを考えると良いでしょう。
もしも平均を超えているなら、無駄な電力を使用している可能性があり、節約の余地が大きいとも言えます。
逆に平均を下回っているなら、今の段階でも使用電力量に無駄がなく、効率よく電力を使用できていると言えるでしょう。
使用電力量をチェックしてみて、節約できそうかどうかを検討することも大切です。
工場の電気代はどうやって節約する?
では具体的に工場の電気代はどうやって節約するのでしょうか?
どうしても必要な電力もありますので、必要最小限の電力だけを使うように心がけるのが理想ですが、職場環境を快適に整えることも考えなければいけません。
工場の電気代節約術として代表的なのが、エアコンの温度設定の見直しです。
エアコンは温度設定を1度上げるだけで、使用電力量を1割削減できると言われています。
特に夏場はエアコンの使用頻度が急激に上がり、電気代も高くなりがちですので、涼しく快適でありながら、電気代を最小限に抑えられる温度設定が求められます。
極端に低くしているようなら、何度か温度設定を上げると効果的です。
可能なら太陽光発電の導入や、キュービクルの導入が理想でしょう。
太陽光発電なら太陽光を利用して発電が可能で、工場内で電気を作り出すことが可能になります。
余った電気は電力会社に売電もできるので、電気代を節約しつつ、売電でさらに電気代を相殺することも狙えます。
また、受変電設備であるキュービクルもおすすめです。
キュービクルを導入すると電気代が割安になります。
割引が適用されるようなもので、キュービクルがあるだけでも電気代を節約できる形です。
まとめ
工場には大量の電力が必要ですが、電気代は大きなコストとして運営経費にのしかかります。
電気代の計算方法を覚えておき、工場でどのくらいの電気代がかかっているのかをチェックしましょう。
その上で、少しでも効率的な使用方法や契約条件の変更など、対策をすることも可能です。
節約を心がければ、今よりも安い電気代で工場を稼働させることも可能です。
特にエアコンの使い方は電気代に直結していますので、温度設定を上げたり、使用時間を見直すなどすると効果的です。
太陽光発電やキュービクルの導入も優れた節約術で、どちらも電気代を改善するのに役立ちます。
キュービクルは導入も比較的簡単で、コストパフォーマンスにも優れているので、電気代の節約を目指すなら導入の検討をおすすめします!