工場や企業などの施設で利用される高圧電力ですが、基本料金はどうやって計算すればいいのでしょうか?
高圧電力とはなんなのか、また基本料金の計算方法、低圧電力との違いなどを見ていきましょう。
高圧電力について正しく理解すれば、費用的にもよりお得に利用できるようになります。
高圧電力とは?
高圧電力には厳密には3つの種類があります。
★特別高圧
★高圧大口
★高圧小口
どれも高圧電力と呼ばれる契約メニューではありますが、それぞれに違いもありますので注意しましょう。
まず特別高圧ですが、これは契約電力が2,000kW以上で、供給される電圧は20kV以上と定められています。
大規模工場や同じく大規模な病院、大型商業施設などに使用されることが多く、高圧電力の中で最も契約電力の数字が大きいタイプです。
高圧大口は、契約電力が500kW以上2,000kW未満で、供給される電圧は特別高圧よりも低い6kVです。
中規模の工場や一般的なオフィスビルなどで使用されることが多くなります。
最後に高圧小口ですが、契約電力が50kW以上500kW未満で、供給される電圧は高圧大口と同じ6kVです。
小規模の工場やオフィスで使われ、契約電力も施設によっては50kWほどと、一般家庭と比べてもそれほどの差はありません。
このように高圧電力と言っても、3つの種類に別れていて、契約電力や供給電圧が違います。
低圧電力との違いは何?
次に高圧電力と低圧電力の違いを比較していきましょう。
もっともわかりやすい違いは、契約電力の差です。
高圧電力の場合、契約電力が50kW以上なのに対し、低圧電力は50kW未満になります。
契約電力の差から高圧と低圧という言葉で分けられていると考えてもいいでしょう。
高圧電力は6,600Vの電気を引き込み、変圧して使うことになりますが、低圧電力は電柱で変圧して使うという違いもあります。
このように高圧電力では施設内で変圧をしなければならないので、変圧設備であるキュービクルの設置も必要です。
低圧電力なら電柱が変圧をしてくれるのでキュービクルは不要ですから、これも違いの1つになります。
当然、電気代も違い、高圧電力の方が電気代は高くなります。
それだけ多くの電気を使うため当たり前ではありますが、だからこそ高圧電力を使うなら電気代の節約を目指すことも大切です。
基本料金の計算方法とは?
高圧電力の電気代を調べるためにも、基本料金の計算方法を理解しておきましょう。
基本料金は契約メニューでも違ってくるため、契約メニューを見直すことで基本料金を下げることも可能です。
いずれにしても基本料金を計算できるようになっておくと、電気代の削減にもいかせます。
高圧電力の基本料金の計算方法を、東京電力を例に見てみましょう。
計算式は以下の通りです。
料金単価×契約電力×0.85
これで基本料金を求められます。
0.85という数字は力率と呼ばれていて、電気を無駄なく使用したかどうかの目安となる数字です。
高圧電力の基本料金は、力率によって割引が適用されている形となります。
ちなみに、計算式の中に契約電力というものが出てきますが、この契約電力の数字は実量値契約という方式で決められています。
1年単位で毎月の電気使用量の数値を出し、もっとも多く電気を使用した月の使用電力が契約電力として採用されるという仕組みです。
そのため、ある1ヶ月だけ他の月に比べて圧倒的に多い電気使用量となってしまうと、その月を基準にして1年の基本料金が決定され、無駄が出てしまいます。
毎月一定の使用量に抑えるよう工夫することで基本料金を下げられるわけです。
電力会社を比較してお得なところを選ぼう!
高圧電力について詳しく見てきましたが、電気代に関しては電力会社ごとに違いが出ます。
つまり電力会社を変えるだけでも毎月の電気代を下げられる可能性があるのです。
電気代を最小限に抑えるなら、各電力会社を比較して、最もお得なところと契約するようにしましょう。
最近は電力会社の見積もりを無料で出してくれ、簡単に比較できるサービスも登場しています。
電気の使用量を減らすことも大切ですが、電力会社を変えることも同時に検討すると効果的に電気代の削減が実行できます。
電力の自由化なども進み、特に近年では各電力会社ともにお得なメニューを用意するなどしています。
もし現在の電気代に不満があるなら、他の電力会社の契約メニューもチェックして、現在の状況と比較するのがおすすめです。
まとめ
高圧電力には3つの種類があり、どれも低圧電力とは違うものです。
基本料金も電気の使用量などで違ってくるので、基本料金の計算式を覚えておき、毎月の電気代をチェックしつつどうすれば節約できるかを考えましょう。
電力会社を変更することも節約方法の1つで、上手に電力会社を選べば今と同じだけ電気を使いながら基本料金を下げることも可能です。