キュービクル

知ってる?【キュービクル】の受電方式と意味とは

ビルや工場といった特定の施設では、電気を使用するためにキュービクルと呼ばれる設備が存在します。
では、キュービクルとはどのような意味を持つ設備で、建物とどう関係しているのでしょうか?
キュービクルを知るうえで受電方式という言葉も重要になってきますが、この受電方式の意味も含めて解説していきます。

キュービクルの意味

キュービクルというのは日本語では受変電設備といった意味になります。
名前の語源は、英語で「立方体」という意味の「キューブ」からで、見た目はまさにキューブ状、つまり大きな箱のような形をしています。
ビルや工場などの大型で大量の電気を使用する施設に設置されるもので、一般的な家庭などではまず使われません。
なぜ特定の施設でしか使われないのか、それはキュービクルが電気を降圧させる役割を果たすからです。
電力会社から供給される高圧の電気を下げるのがキュービクルの役割なので、そもそも高圧の電気を使わない施設では必要ないのです。
一般的な家庭では高圧の電気を使うことはまずありませんので、キュービクルも不要というわけです。
逆に大型の商業施設や病院、工場などは大量の電気が必要で、電力会社からも高圧の電気が送られてきます。
そのままでは使えないため、キュービクルを経由させ降圧しなければいけません。

キュービクルの有無を決める受電方式の意味とは?

先程紹介したように、キュービクルは高圧の電気を使う施設でしか使われません。
そこで重要になってくるのが受電方式という言葉です。
受電方式というのは、文字通り電気を受け取る際の方式のことで、低圧受電と高圧受電の2つに分けられます。
キュービクルは高圧受電を利用する際に必要な設備で、低圧受電では不要となります。
そのため受電方式によってキュービクルが必要かどうかが決まり、高圧受電ならばキュービクルを設置する必要が出てきます。
あまり聞き慣れない低圧受電と高圧受電という言葉ですが、それぞれどんな違いがあるのかも把握しておきましょう。

低圧受電とは

電気を利用するためには電力会社と契約し、電気を供給してもらう必要があります。
この際にどのくらいの電気を供給してもらうかによって受電方式が変わります。
低圧受電は、契約電力が50kw以下の場合に利用される受電方式です。
一般家庭などが該当し、それほど多くの電気を必要としない施設、建物のため受電方式も低圧で良いというわけです。
簡単に言えば、少ない電気を供給してもらえばそれで充分という形です。
一般家庭でも多くの家電を使いますが、それでも電気の供給量としては大規模な施設に比べれば少なく、高圧受電を利用する必要はありません。
そのため低圧受電で電気の供給を受けているならキュービクルも不要です。
各家庭や小さな建物などでキュービクルを見かけないのは、受電方式が低圧受電だからです。
とはいえ電力会社から送られてくる電気は最初は高圧です。
そこで低圧受電の場合、電力会社が持っている変電設備などで高圧の電気を低圧に下げ、そのうえで各家庭をはじめさまざまな建物に供給しています。

高圧受電とは

高圧受電は低圧受電の逆で、契約電力が50kw以上の場合に利用される受電方式です。
契約電力が50kw以上になるなら必ず高圧受電を受電方式として選ばなければなりません。
当然キュービクルも必須となり、高圧受電で電気を利用するなら施設の敷地内にキュービクルを設置する必要があるのです。
高圧受電が利用される施設としては、大きなビルや病院、学校、工場などの大規模な施設が主です。
どの施設も大量の電気を必要とするため、契約電力も50kw以上になることがほとんどでしょう。
高圧受電契約の場合、電気単価が一般より安くなるため設置のための初期費用はかかりますが、長期間使用するのであれば断然お得になります。
一般家庭などでしゃ、電柱に設置されている変圧設備で低圧に下げて電気の供給を行いますが、高圧受電は供給方法が異なります。
高圧受電の場合は高圧で送られてくる電気を、キュービクルを置くことで低圧にして建物内に引き込みます。
適切な電圧に変圧することで低圧受電と同じ状況で電気を使用できます。
自前で用意する変圧設備といった意味合いがあるのです。
電力会社が用意し設置してくれる設備ではないので、必要ならば自分で設置することになります。

まとめ

キュービクルというのは高圧の電気を低圧に下げる働きを持つ、小型の変圧設備の名称です。
キュービクルが必要になるかどうかは受電方式によって決まり、低圧受電なら不要、高圧受電なら必要と分けることができます。
高圧受電の場合、キュービクルがないと低圧に下げられないので必ず設置し運用しなければなりません。
初期費用はかかりますが、ランニングコストを抑えられるメリットのあるキュービクルはとても便利な設備です。
一般家庭などでは不要な設備ですが、大型の施設で大量に電気を使用する場合は必要不可欠な設備です。

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