高圧受電設備はキュービクルとも呼ばれています。
電力会社から送られてくる電気を使用するため、主に大きな施設に設置されます。
高圧受電設備という名の通り、キュービクルは高圧の電気を受け取るために必要です。
そんな高圧受電設備、キュービクルについて基礎的な知識を身につけておきましょう。
高圧受電設備、キュービクルとは?
私達が普段利用している電気は、電力会社で作られ送られてきます。
発電所や変電所から供給される電気というのは非常に高圧で、そのままでは使えません。
そこで高圧受電設備などを利用して低圧に変圧して使っています。
つまり高圧受電設備やキュービクルと呼ばれる設備は、電気の変圧をしてくれる設備ということになります。
キュービクルというのは高圧受電設備の1つの形です。
高圧受電設備は一般的に以下のもので構成されています。
・区分開閉器
・断路器
・遮断器
・変圧器
・保護継電器
・計測機器
・低圧配電設備
これらが設置されることで高圧受電設備として機能するわけですが、キュービクルというのはこれらの構成をすべて金属の箱の中に収納しています。
ビルの屋上などで見かけたこともあると思いますが、箱状になった高圧受電設備がキュービクルなのです。
一般家庭などでは電力会社から変電所を経て家庭用の低電圧として送電されますが、大量の電気を必要とする大型の商業施設や病院、工場などでは受電設備が必要になります。
高圧の電気を電力会社からそのまま受け取り、変圧して使うための設備です。
高圧受電設備、キュービクルの点検について
高圧受電設備はキュービクルも含めて保安点検を行わなければいけません。
これは法定点検となり、法律で定められているので必須の作業となります。
点検なしで運用することはできません。
点検の頻度については、毎月1度、もしくは隔月に1度と定められています。
好きな方を選べるわけではなく、特定の条件を満たしていれば隔月に1度で良く、そうでなければ毎月1度の点検が求められます。
その条件というのは、高圧受電設備、キュービクルに絶縁監視装置が取り付けられているかどうかです。
絶縁監視装置は遠隔監視装置とも呼ばれますが、いずれにしてもこの装置が取り付けられている場合は、安全性が高いと判断されて隔月に1度の点検でも良いとされます。
また、こうした点検とは別に1年に1度年次点検を行う必要もあり、非常に慎重に点検を繰り返しながら運用しなければいけないことがわかります。
点検を行う場合、電気主任技術者を選任するという義務も発生します。
つまり専門の知識を持った電気主任技術者を選び、その人に依頼することで管理してもらう形です。
ただし、電気主任技術者の選任はコストの問題もあるため、多くのケースでは外部委託承認制度を活用して外部の人にやってもらいます。
コスト面で問題がないのなら、電気主任技術者を選任しておくのも良いでしょう。
どちらにせよ電気主任技術者を確保し、常に安全に運用できるよう心がけないといけません。
高圧受電設備、キュービクル設置におけるフェンスの存在
高圧受電設備、キュービクルを設置する場合、フェンスを設けるかどうかも考慮する必要があります。
まず前提として、フェンスが必須というわけではありません。
フェンスなしで設置することも可能ですが、周囲の環境によってはフェンスが必要になります。
また、単純に見た目の問題でフェンスを設けて高圧受電設備を隠すということも出てきます。
特に屋外に設置する場合は、高圧受電設備が丸見えになることで景観を崩す場合があることなどから、フェンスが必要と判断されることがあります。
安全性の面からもフェンスが必要とされるケースは多く、たとえば人が簡単に触れるような場所に高圧受電設備、キュービクルが設置される場合です。
こうした状況の場合、小さな子供が触れるなどして事故が起きることも考えられ、安全性確保のためにフェンスが重要な役割を果たします。
フェンスで覆うことで事故防止となるわけです。
フェンスではなく、柵などでもかまいませんが、安全性を高めるよう最大限の配慮をしなければいけません。
関係者以外は入れない場所、たとえば施設の屋上などに設置する場合は、フェンスがなくても十分な安全性を確保できることもあります。
この場合はフェンスを設置するかどうかは所有者の判断次第になります。
景観上の問題なども考慮しながら、フェンスを設けるべきかどうかを考えましょう。
まとめ
高圧受電設備、キュービクルは高圧の電気を低圧へと変圧して、施設や設備で使うために欠かせない存在です。
特にキュービクル式の高圧受電設備は利用されることが多くなるでしょう。
非常に便利なものですが、安全性をしっかり確保することも大切で、そのためにも定期的な点検をはじめ、フェンスの有無などが重要になります。
必ず電気主任技術者を選任し、必要ならフェンスや柵を設けて人が簡単に立ち入れないようにしましょう。