キュービクルを設置するには工事が必要です。
では具体的にどんな工事を行っていくのでしょうか?
ここではキュービクルの設置工事について紹介します。
キュービクル設置工事の流れ
ではキュービクルを実際に設置する場合の工事の流れについて見ていきましょう。
まずは業者に依頼し、打ち合わせを行います。
工事はいくつかの工程に分かれていますので、詳細について確認する作業です。
キュービクルの設置では電力会社との協議も必要ですが、基本的には業者が担当してくれるためすべて任せるような形です。
その前にこちらと業者で話し合いをしておくわけです。
打ち合わせが終われば実際に工事に入ります。
まずは電力会社から供給される電力を引き込むための工事が行われます。
たとえば電柱から電力の供給を受ける場合、電柱からPASに引き込みを行います。
この時、施設内にPASを設置するための電柱が必要になりますが、もしなければ電柱の設置も同時に行われます。
電線を引き込む工事だとイメージすればわかりやすいでしょうか。
また、地中に配管を埋める場合は地中埋設配管工事と呼ばれる工事も必要です。
引き込みや埋設が終わったら、次はキュービクルを設置するための基礎工事に移ります。
キュービクルを設置するためには必ずコンクリートの基礎が必要で、コンクリート基礎がなければ造らなければなりません。
もしすでにコンクリート基礎があるという場合、たとえばキュービクルの増設や改修工事の場合は、この作業は行われないこともあります。
基礎工事そのものは一般的な基礎工事とほぼ同じです。
必要なケーブルを基礎内に入れる必要がある場合は、基礎工事の中で埋設工事も行われます。
基礎が完成すればいよいよキュービクルを設置していきます。
基礎の上にキュービクルを設置し、必要は配管をし、キュービクルが使える状態にまで持っていきます。
最後にキュービクルの試験を行い、試験に問題がなくキュービクルが安全に動作すれば工事は終了です。
最終的に電力供給が行われ、キュービクルが正常に動き出す流れです。
ちなみにキュービクルの試験としては、接地抵抗測定試験や絶縁抵抗測定試験などがあり、キュービクルが正常に働くかどうかをチェックします。
キュービクルの接地工事について
キュービクルの設置においては接地工事も必要になります。
そもそも接地とはなんなのかという点ですが、漏電や感電といった事故防止のために行われると考えれば良いでしょう。
接地という文字からもわかるように、キュービクルなどの構造物を大地と接続する工事のことです。
接地工事をしていないと、万が一漏電などが行って電気が流れる状態になってしまった場合、キュービクルに触れることで感電してしまいます。
キュービクルをはじめとした受変電設備には大量の電気が流れていますので、感電すれば重大な事故を引き起こします。
そこでキュービクルと大地、つまり地面を接続することで感電などの事故を防ぐ目的があります。
なぜ地面と接続することで事故防止につながるのか、これは地面の抵抗値が人よりも少ないからです。
接地しておくことで漏電したとしても、電気が地面に流れるようになるため、触れても感電を防ぐことができるのです。
安全性を高めるために非常に重要な工事というのがわかるでしょう。
接地工事はアースをとるなどと言われることもありますが、同じ意味です。
業者によっては接地工事とは呼ばず、アースをとるための工事などと言うことがありますが、工事内容としては同じものになります。
いずれにしても接地工事がしっかり行われていないと、漏電の際に感電のリスクが出てきます。
キュービクルを設置する場合は必ず必要な工事と言えます。
もちろん接地工事についても業者がやってくれますので、自分でやる必要はありません。
最後に注意点として、接地工事をすることで感電を防ぐことができると紹介しました。
たしかに地面に接続することで電気の大半は地面へと流れます。
ですがすべての電気が完全に地面へと流れるわけではなく、漏電した状態のキュービクルに触れればわずかでも人体に電気が流れてしまいます。
そのため接地工事をしていれば確実に安全と考えるのではなく、あくまでも感電しにくくなる工事だと考えましょう。
そもそも漏電しないように細心の注意を払い、定期点検などでしっかりチェックしておくことが大切です。
まとめ
キュービクルを設置するためには電力の引き込みをはじめ基礎工事やキュービクル本体を設置するための工事など、さまざまな工事が必要です。
さらには感電防止のための接地工事も必要で、複数の工事を完了させてはじめてキュービクルを運用できるようになります。
基礎工事はもちろんですが、接地工事も事故防止のために重要な工事です。
工事に関しては業者に任せることになりますが、入念な打ち合わせをしておくようにしましょう。
お互いにしっかり意思疎通ができてこそスムーズに工事を進められます。
安全確保のためにもどのような流れでどんな工事を行うのか、業者に確認しておくのも必要でしょう。