高圧受電を利用する施設ではキュービクルを設置しなければなりません。
狭いスペースにも設置できて便利なキュービクルですが、設置の際には騒音や振動の対策も必須です。
周囲に迷惑をかけないためにも、トラブルを予防するためにも騒音と振動対策をしっかりと行いましょう。
キュービクルの騒音や振動について
一般的には病院や工場など、電気を大量に使う大型の施設で利用されるのがキュービクルです。
最近では、キュービクルはコンパクトで省スペースというメリットがあるため、マンションなどの集合住宅などでも利用されるケースが見られます。
集合住宅はもちろんのこと、病院や工場といった施設でも、近くに住宅街があるといったことは少なくありません。
こうした状況で問題になるのが、キュービクルの騒音や振動です。
キュービクルはまったく無音で動いているわけではなく、ブーンといった機械音や、振動が周囲に伝わることでわずかながらも音を発生しています。
実際、過去にはキュービクルの騒音が原因でトラブルに発展したケースもあり、決して無視できない問題となっています。
キュービクルはただ設置すれば良いという物ではなく、設置に際しては騒音や振動を最小限に抑える対策も求められるのです。
新しく導入する際にどこに設置するかも含めて、慎重に検討しなければなりません。
たとえば大型のビルなどではキュービクルが屋上に設置されることが多いのですが、これも騒音や振動対策と言えるでしょう。
屋上ならば多少の騒音が発生しても、問題にならない程度に抑えられるでしょう。
キュービクルの騒音対策
キュービクルの騒音を防ぐにはどんな対策が考えられるのでしょうか?
先程紹介したように、屋上がある施設なら屋上に設置するのも1つの方法です。
ただ、スペースや状態により必ずしも屋上に設置できるとは限りません。
その場合は、なるべく近隣の建物から離れた場所に設置したり、キュービクルの上からさらに壁や箱などで覆い、騒音を漏れにくくするといった対策が必要になるでしょう。
実際にキュービクルが発する音を聞き、どのくらいの音量なのかをはじめ、どうすれば騒音を防げるかを考えることも重要です。
それほど気になるような音ではないと感じても、人によって感じ方は違います。
騒音だと感じる人もいるかもしれないので、騒音対策は万全でなければいけません。
また、深夜もキュービクルが可動するような状況であれば、近隣の人は就寝していることが多く、より騒音に敏感になります。
キュービクルが原因の騒音トラブルは決して少なくないので、キュービクルを設置するなら設置者の責任として騒音対策を進めていきましょう。
特に近隣に住宅が多い場合などは騒音トラブルが発生しやすくなります。
キュービクルの振動対策
キュービクルの騒音は基本的に振動によって起こります。
可動している間、キュービクルは振動しこの時の振動音がそのまま騒音となって周囲に伝わります。
ブーンというような音が聞こえるのは、振動によるものだと考えましょう。
それくらい振動は周囲に影響を与えます。
たとえば建物の中にキュービクルを設置した場合、キュービクルが振動することで振動が建物へと伝わり、建物全体に騒音として聞こえることもあります。
騒音対策、振動対策をしっかりしていないとキュービクルは周囲に住む人達の生活の妨げになるのです。
ではどうすれば良いのかですが、振動対策としてはいくつかの方法が考えられます。
防振性能を高めるのが有効で、キュービクルに防振ゴムを取り付けるという方法もあります。
防振ゴムが振動を吸収してくれるため、振動を最小限に抑えられるようになり結果的に騒音対策にもなります。
また、キュービクルを設置する場所の基礎に防振パットを設置する方法もあります。
これもやはり振動を抑えるため対策として有効でしょう。
この他にも遮音壁と呼ばれる遮音性に優れた壁で周囲を囲むことで振動や騒音を周囲に伝えないという方法もあります。
どういった方法で対策するかはキュービクルを設置する環境によっても変わるでしょうが、いずれにしても有効な対策を考え実行しなければなりません。
トラブルなくキュービクルを活用するためにも、設置する場合は騒音、振動の対策を練りましょう。
キュービクルは大変便利な設備ですが、騒音や振動で周囲の人に迷惑をかけることがあります。
設置する際にはこの2点に十分に気を付け、トラブルを予防することが大切です。
基礎の段階で振動を防ぐ対策をしたり、遮音壁を使うなど、あらゆる方法で対策を進めていきましょう。
こうした対策をしないでキュービクルを設置するのは避けるべきです。
周囲とトラブルになれば施設の運営にも大きな影響を与えます。
導入を検討する際には場所はもちろん、設置した後の状況も見据えて対策を練ることが大切ですね。